総合ガイド|レスキューナースと考える、もしもの備え

  • 公開日:2026.09.30

便利で快適な今の暮らしは、もしものときにどうなるでしょうか。災害現場で活動してきたレスキューナースの視点から、「本当に役立つ備え」を今の暮らしの延長で考えます。特別なことを増やすのではなく、日常の選択や習慣を少し整えること。そうした積み重ねが、いざというときの安心につながります。気になるテーマから、ぜひ読み進めてください。

5つのテーマで見直す、わが家の防災

【1】日常から始める防災

非常時のための特別な備えだけが、防災ではありません。身近な日用品の活用や住まいのちょっとした工夫など、気軽に始められ、無理なく続けられる「日常の延長」としての備えを紹介します。

・アイテム編(1)|日常の延長でできる!「わざわざ買わない」防災グッズ活用術
・アイテム編(2)|持ち歩く安心、「防災ポーチ」をつくろう
・室内対策編(1)|飛んでくる!?室内の危険から身を守る方法
・室内対策編(2)|在宅避難を可能にする「災害に強い家」のつくり方

【2】非常時の暮らしを支える備え

水や電気が止まったときも、できるだけ普段に近い生活を保つために。断水時のトイレ対策や水の確保方法、非常時の食事など、被災生活を「我慢の時間」にしないための具体策をまとめました。

・断水編(1)|見落とされがちな災害時のトイレ問題
・断水編(2)|水をどう確保する?災害時の飲み水と生活用水
・食事編(1)|非常時でも「いつものごはん」を食べよう
・食事編(2)|食料の備蓄は「ローリングストック」で無理なく続ける
・食事編(3)|ライフラインが止まっても、おいしく食べるための工夫

【4】人と心の備え

モノや知識だけでなく、「心構え」や「人とのつながり」も重要な備えです。不安とどう向き合うか、身近な住民同士でどう助け合うか。日頃の関係を、いざというときの助け合いにつなげるための視点をお伝えします。

・メンタル編|不安と向き合い、レジリエンス(精神的回復力)を育てる
・共助編(1)|「ええ感じの人」になることが最大の防災に
・共助編(2)|被災時に誰がどう動く?マンション防災の心構え

【5】災害から学ぶ

過去の災害には、これからの備えを考えるヒントが数多くあります。想定外が起きやすい時代だからこそ、実際の事例を自分の生活と結びつけて考えることが大切です。そこから学び、日々の備えに生かしていきましょう。

EXPERT’S NOTE

知識とスキルをアップデートしよう!

近年、災害が頻発し、激甚化しています。ゲリラ豪雨、酷暑、線状降水帯、季節外れの台風…。気候変動によって、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。そのうえ、感染症の流行や首都直下型地震といったリスクも存在します。

被災経験があると「あのときが一番大変だった」と思ってしまいがちですが、これから起こる災害は、より厳しくなる可能性があります。だからこそ、最新の情報を取り入れながら、備えを見直し続けることが重要です。

本シリーズで繰り返しお伝えしているように、「普段できないことは、緊急時にもできません」。まずは、マンションや地域の防災訓練に参加してみましょう。実際に体験することで、現実的な備えにつながります。

また、防災グッズを買って安心していませんか。物は使いこなせなければ意味がありません。使い勝手はどうか、自分や家族に合っているかなど、平時に試してこそ、本当に役立つ備えが見えてきます。

大切なのは、「物を備えるだけでなく、スキルを備える」こと。本シリーズを通じて、そのスキルをアップデートしていきましょう。あなたが「生き残る」だけでなく、「生き延びていく」ことを心から願っています。

※本シリーズは、筆者のレスキューナースとしての経験をもとにした防災コラムです。最新の公的情報もあわせてご確認ください。

  • PROFILE

    辻 直美さん
    国際災害レスキューナース

    一般社団法人育母塾 代表理事。国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援に従事。帰国後は看護師として勤務する中で阪神・淡路大震災を経験し、実家の全壊をきっかけに災害医療の道へ。国際緊急援助隊医療チーム(JMTDR)で救命救急に携わり、レスキューナースとして活動。現在はフリーランスナースとして、国内各地で講演や防災教育を行い、要請があれば被災地支援にも従事。著書に『レスキューナースが教える 最強版 プチプラ防災』(扶桑社刊)など。

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