【おいしい発酵生活】#3 体がよろこぶ発酵レシピ

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  • 公開日:2024.12.18

発酵食品を料理に使うと、肉や魚がやわらかくなったり、旨みがアップしたり。もちろん健康効果も。おいしくて、体にうれしいひと皿ができあがります。毎日の食卓に加えたい、身近な発酵食品を使ったレシピをご紹介します。

Photographs: Hiroyuki Enomoto

砂糖の代わりに「甘酒」を使って自然な甘みに

鶏の甘酒照り焼き

【材料(2人分)】

鶏もも肉:1枚(約300g)
甘酒(ストレートタイプ):大さじ3
しょうゆ:大さじ1と1/2
サラダ油:小さじ2

【作り方】

  1. 鶏肉の皮目にフォークで穴をあけてジッパー付き保存袋に入れ、甘酒としょうゆを加えて密封し、冷蔵庫に一晩おく。
  2. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、弱火にしてから鶏肉を皮目を下にして入れる(漬けだれはとっておく)。ふたをして5分ほど焼き色がつくまで焼く。
  3. 鶏肉の上下を返し、ふたをしてさらに5〜6分加熱して火を通す。
  4. 余分な脂をキッチンペーパーで拭き取り、漬けだれを加えて強火にし、鶏肉の上下を返しながら絡める。フライパンから取り出し、5分ほどおいてから食べやすい大きさに切る。

POINT

“飲む点滴”と呼ばれる米こうじの甘酒

甘酒には米こうじと酒粕、それぞれを原料とした2種類があります。今回のレシピで使ったのは米こうじの甘酒。酵素の働きによる自然な甘みが特徴です。疲労回復に有効なビタミンB群や、エネルギーになるブドウ糖などが多く含まれていて、そのまま飲んでも◎。

素材の持ち味を活かす、「塩こうじ」のほのかな塩気

ミニトマトの塩こうじピラフ

【材料(4〜5人分)】

米:2合
タマネギ:1/2個(約100g)
ベーコン(ブロック):60g
ミニトマト:12個
塩こうじ:大さじ1と1/2【A】
オリーブオイル:大さじ1【A】
ニンニク(すりおろし):小さじ1/2【A】
パセリ・粗びき黒こしょう:適宜

【作り方】

  1. 米を研いで30分浸水させ、ざるにあげておく。タマネギはみじん切りにする。ベーコンは1cm角に切る。ミニトマトはへたを取る。
  2. 炊飯器の内釜に米を入れ、2合の目盛りの2mmほど下まで水を入れる。【A】を加えて軽く混ぜ、タマネギ・ベーコン・ミニトマトをのせて通常の白米モードで炊く。
  3. 炊き上がったらさっくりと混ぜる。器に盛ってみじん切りにしたパセリと粗びき黒こしょうをふりかける。

POINT

塩こうじは常備しておきたい
万能調味料

ごはんを炊くときに少しだけ塩こうじを入れる(米2合に大さじ1が目安)と、もっちりした食感に仕上がります。冷めてももちもち感が続くため、お弁当にぴったり。ほのかな塩味が素材の味を活かすので、季節の具材でシンプルに炊き込みごはんにしてもおいしいです。

「みそ」のコクを加えて、味わいを深める

焼きれんこんのぱぱっと白あえ

【材料(3〜4人分)】

れんこん:1節(約200g)
オリーブオイル:大さじ1
しょうゆ:小さじ1
絹ごし豆腐:1/2丁(約150g)【A】
白すりごま:大さじ3【A】
みそ:大さじ1/2【A】
砂糖:小さじ1【A】

【作り方】

  1. れんこんを皮付きのまま5mm幅のいちょう切りにし、オリーブオイルとしょうゆを絡める。
  2. 魚焼きグリルにアルミホイルを敷き、❶を並べ入れて焼き色がつくまで7〜8分焼く。
  3. ボウルに【A】を入れてスプーンで滑らかになるまで混ぜ、❷を加えてあえる。

POINT

洋風メニューの隠し味にもみそが活躍

みそは和食のイメージが強いですが、洋食にも合います。ミートソースやシチューなどの隠し味に入れると、深みのある味わいに仕上がります。少し入れるくらいなら「みそ味」にはなりません。みそを足すだけでいつもの料理がワンランクアップします。

「ヨーグルト」で料理をさっぱり、ヘルシーに

お好みフルーツのヨーグルトトースト

【材料(2人分)】

プレーンヨーグルト:120g
はちみつ:大さじ1/2
食パン:2枚
好みのフルーツ:適量

【作り方】

  1. ボウルの上にざるを重ね、キッチンペーパーを敷いてヨーグルトをのせる。ラップをして冷蔵庫で一晩おく。
  2. ❶の水分を切り、はちみつを混ぜ合わせる。
  3. 食パンをトーストし、❷を均等に塗って好みのフルーツをのせる。

POINT

ヨーグルトを水切りすると使い道が広がる

水切りしたヨーグルトにはちみつを加えると、ホイップクリームやクリームチーズ感覚で使えてあっさりヘルシーに仕上がります。また、塩こうじを加えるとマヨネーズ代わりに。さっぱりとしていながらコクがあり、サンドイッチやポテトサラダに最適です。

COLUMN

「注ぐだけみそ汁」から始める、「ゆる発酵」のススメ

発酵食品を毎日継続的に摂るためには手軽さがポイント。気負わず「ゆる〜く」楽しめると、「発酵」がどんどん身近なものになっていきます。たとえば、忙しいときや疲れているときには、お椀やカップにみそ(大さじ2)を入れて熱湯(200㎖)を注ぐだけの「注ぐだけみそ汁」がおすすめです。

みそ汁はだしを使ってつくるものだと思われている方も多いかもしれませんが、お湯で溶くだけでもみそ自体の旨みを味わえます。お気に入りのみそを使ったり、乾物など火を通す必要がない具材を加えたりすれば、さらにおいしく仕上がります。

『みそ、⽢酒、納⾖、ヨーグルト。
今すぐ始められる、毎⽇続けられる。ゆる発酵』(オレンジページ刊)

  • PROFILE

    榎本美沙さん

    料理家・発酵マイスター

    発酵食品、旬野菜を使ったシンプルなレシピが好評で、テレビや雑誌などで活躍中。オンライン料理教室「榎本美沙の料理教室」主宰。登録者数35万人を超えるYouTube「榎本美沙の季節料理」、 Instagram(@misa_enomoto)も人気。近著に『毎日の発酵食材レシピ手帖』(Gakken刊)など。その他著書多数。
    https://online.misa-enomoto.com/