コーヒーの味わいは主に「苦味」「酸味」「コク」「後味」で構成され、豆選びと淹れ方でそのバランスが決まります。好みのバランスのときに「おいしい」と感じられるはず。もともとコーヒーはコーヒーノキという植物の果実(コーヒーチェリー)の種子で、フルーティーな酸味が特徴です。酸味の程度は産地や焙煎度によって異なり、酸味への耐性は個人差が大きいため、まずは好みの酸味を把握するところから始めてみましょう。
ほっとひと息つきたいときも、集中したいときも、一杯のコーヒーが気持ちを切り替えるきっかけに。気分や暮らしのシーンに合わせて楽しめると、コーヒータイムがいっそう充実します。バリスタ世界一に輝いた粕谷 哲さんに自分好みの一杯を見つける方法を教えてもらいました。
そもそもコーヒーの「おいしさ」とは?
コーヒーの味わいは主に「苦味」「酸味」「コク」「後味」で構成され、豆選びと淹れ方でそのバランスが決まります。好みのバランスのときに「おいしい」と感じられるはず。もともとコーヒーはコーヒーノキという植物の果実(コーヒーチェリー)の種子で、フルーティーな酸味が特徴です。酸味の程度は産地や焙煎度によって異なり、酸味への耐性は個人差が大きいため、まずは好みの酸味を把握するところから始めてみましょう。
自分好みのコーヒーの見つけ方
焙煎とは生豆を煎ってコーヒーの風味を引き出すことで、浅煎りのうちは酸味が強くてフルーティー、深煎りになると苦味とコクが出ます。中煎りはその中間です。まずブレンド(2種類以上の豆を混ぜたもの)の中煎りを飲んでみて、酸味が好みなら浅煎りを、苦手なら深煎りを試してみるのがおすすめです。
好みの焙煎度を把握したら、ブラジルやエチオピアなどさまざまな産地の豆をその焙煎度で比べてみましょう。産地によって豆の品種や作り方、育つ風土が異なるので、ワインと同じように産地ごとに味の特徴が出ます。ブレンドよりストレート(1種類の豆からなるもの)で飲んでみると、より個性が際立ちます。
自分の好みがわかってきたら、ぜひシングルオリジンを飲んでみてください。シングルオリジンとは、産地だけでなく、どの農園でどのように作られてどういう流通経路を辿ったかなどが確認できる高品質な豆。特に高品質で、SCAという協会が定めた高い審査基準を満たしたもののみが、スペシャルティコーヒーと認められます。その量は市場で出回るコーヒーの5%程度ともいわれています。
自宅でもっとコーヒーを楽しむアイデア
カップの選び方でもコーヒーの味わいが変わるもの。縁が薄いカップは繊細な味わいをキャッチしやすいため、酸味を感じやすく、口当たりすっきり飲めます。縁が厚いカップは甘さを感じやすく、口当たりまろやかに。ワイングラスのように飲み口がすぼまっているカップなら、カップ内に溜まる香りを楽しめます。
最近ではアーモンドミルクやオーツミルクなど、さまざまな植物性ミルクが注目されています。カフェでもお馴染みのソイラテのように、牛乳の代わりに植物性ミルクを入れるとヘルシーで味わいも変化。動物性のミルクと比べてさっぱりとしているので、深煎りのコーヒーと合います。黒糖などで甘味とコクを足しても◎。
身近だけれど奥深いコーヒーの世界。さまざまな選択肢を知ると幅広い楽しみ方ができ、お気に入りの組み合わせを探求するのも楽しいものです。次回は自宅でおいしく淹れるハンドドリップの方法を解説します。
粕谷 哲さん
バリスタ
1984年生まれ。27歳で1型糖尿病を発病し、入院生活中にコーヒーに目覚める。2013年からバリスタとしての道を歩み始め、コーヒーの抽出技術を競う「World Brewers Cup 2016」でアジア人初の優勝を果たす。2017年に自家焙煎のコーヒー店「PHILOCOFFEA」を設立。バリスタ育成や商品開発など幅広く活動しながら、コーヒーの魅力を伝える。
https://philocoffea.com