正しいサウナの入り方

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正しいサウナの入り方

適切な入り方と自己流では、体の反応が違うといいます。
サウナを最新の科学で解析する加藤容崇先生に、医学的見地から効果的な入り方を教えてもらいました。

教えてくれたのは…加藤容崇(やすたか)先生
医学博士。北斗病院 医師。日本サウナ学会代表理事。専門は癌の遺伝子検査・研究。サウナをはじめとする健康習慣を最新の科学で解析することを第二の専門としている。著書に『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社刊)がある。

基本の流れ ※3セット行う

一番大切なのは無理をしないこと。サウナは体に負荷をかけるものなので、体調を把握して適切な範囲で入りましょう。「気持ちいい」と感じることで自律神経が活性化するため、こちらを基本に自分にとって一番気持ちがいい入り方を見つけてください。

01

サウナ室に入る

サウナ室ではあぐらや体育座りなど、なるべく高低差の少ない体勢で座ります。出る目安は脈拍が軽い運動時(息が切れずに普通に会話できる程度)と同じくらいになったら、あるいは背中の真ん中が温まったら。

ステップ1 サウナ室に入る
02

水風呂に入る

シャワーで汗を流したら、水風呂に肩までしっかり浸かりましょう。20秒〜1分ほど経って、呼吸をしたときに気道がスースーしたら出るタイミングです。

ステップ2 水風呂に入る
03

休憩をとる(外気浴)

水風呂から出たら、気化熱で体が冷めないよう手早く体を拭き、外気浴に向かいます。5〜10分程度、体が落ち着くまでたっぷりめに、椅子に座るか横になって休憩。

ステップ3 休憩をとる(外気浴)
ポイント1 水分をとる

ポイント1

水分をとる

各セットの合間には水分を補給しましょう。サウナに入ると汗をたくさんかき、合計500〜1,000㎖の水分が失われます。脱水を防ぐため、相当量の水分をこまめに摂取してください。

ポイント2 顔や頭を覆う

ポイント2

顔や頭を覆う

サウナ室で一番しんどく感じやすいのは顔。乾いたタオルで覆うと熱さの負担がかなり軽減できます。のぼせと髪の乾燥の防止のため、サウナハットをかぶるのもおすすめです。

ポイント3 水シャワーを浴びる

ポイント3

水シャワーを浴びる

水風呂が苦手な人はシャワーで体を慣らしてから入ったり、シャワーだけにしてその分休憩を長くとったりしても。シャワーを浴びるときは足元から徐々に上に当てていきます。

おうちサウナのススメ

自宅のお風呂でも、工夫次第でサウナに近い効果を味わえます。キャンドルを灯したり、音楽をかけたり、自宅ならではの楽しみ方ができるのも魅力です。
基本のサイクルを2、3回繰り返しましょう。

01

湯船に浸かる

目安時間:15分〜

お風呂の温度を普段より1〜3℃高めに設定し、5〜10分長めに入浴。無理のない範囲で、「熱くなってきたな」と感じるくらいまで湯船に浸かります。

ステップ1 湯船に浸かる

炭酸系の入浴剤を入れると、お湯に溶け込んだ炭酸ガスが皮膚表面の血管を拡張し、効果的に体が温まります。

02

水シャワーを浴びる

目安時間:20秒〜

湯船から出たら、快適に感じる水温のシャワーを浴びます。シャワーをいきなり顔に当てるのはNG。転倒防止のため座って、下半身から浴びはじめるのが安全です。

ステップ2 水シャワーを浴びる

シャワーの前に冷たい炭酸水を飲むと、体が冷たさを感じやすくなり、水風呂に入ったときのような効果が得られます。

03

部屋で休憩する

目安時間:2分〜

バスルームから出たらすぐに休憩タイムに。座るよりも横になった体勢の方がより深いリラックス状態になることができます。水分補給も忘れずに。

ステップ3 部屋で休憩する

水分補給の際、カロリーのある飲料を摂取すると代謝が上がらなくなるため、スポーツドリンクなどは避けましょう。

コラム1 睡眠の質が改善し、日常のパフォーマンスが向上

コラム 1

サウナに入ると睡眠の質が改善し、日常のパフォーマンスが向上。

サウナに入ると睡眠のゴールデンタイム(最も重要とされる入眠初期の90分)の熟睡時間や熟睡度が向上し、寝つき・目覚めが良くなるという研究結果が出ています。質の高い睡眠をとることで、日中のパフォーマンスがアップ。2、3日に1回程度の頻度で入ると効果が高いため、通いやすいサウナ施設を見つけて習慣化するのがおすすめです。

「ととのう」とはどのような仕組み

コラム 2

サウナで得られる感覚「ととのう」とはどのような仕組み?

高温のサウナと低温の水風呂は、人体にとって危機的状況。体内は交感神経優位となり、アドレナリンなどの物質が放出されます。外気浴をするとすぐに副交感神経優位に切り替わりますが、血中のアドレナリンが代謝されるまで約2分かかります。この約2分間が"ととのい"タイム。体はリラックスしながら頭は冴えた稀有な状態を味わえます。

※この記事は、会報誌Brillia 108号(2022年11月発行)より再編集した記事です。