「食」を軸に滞在を楽しむオーベルジュの基礎知識や魅力をご紹介。その土地、その時期にしか味わえない美味しいものを求めて、ローカルな旅をしてみてはいかがでしょうか。
オーベルジュはフランス語で宿泊設備を備えたレストランのこと。かつて、都市で成功したシェフがより新鮮な食材を手に入れるため、郊外に移住してレストランをオープンすると、シェフのファンが車を走らせて訪れました。料理と共にお酒を嗜むと車で帰宅することが難しくなり、レストランの2階などで休んでいってもらったのが、オーベルジュの始まりとされています。
ホテルや旅館との違いは、料理が旅の最大の目的になっているところ。「旅行」というより「外食」の延長で、宿泊設備はあえて簡素にしている施設も。日本では独自のおもてなし文化と融合したり、フレンチに限らず料理のジャンルもさまざまだったり、多彩なスタイルのオーベルジュが誕生しています。
満喫ポイント1
都会の喧騒から離れて自然豊かな環境に身を置くと、五感が呼び覚まされ、都会では味わえない食体験ができます。オーベルジュは自然に恵まれたロケーションに立っていることがほとんどで、提供される料理は素材の持ち味を生かしたシンプルな味付け。滋味あふれる旬の食材による料理は心までも満たします。
満喫ポイント2
オーベルジュは規模が小さいものが多く、落ち着いた雰囲気も魅力。早めに着いてお酒でも飲みながらゆったりし、2〜3時間かけて夕食をとるのがおすすめです。食材や料理、お酒にまつわる知識が豊富なシェフやサービススタッフとの会話も楽しみの一つ。食後は余韻に浸りながら客室でくつろいで。
満喫ポイント3
オーベルジュは地域の生産者との結びつきが強いのも特徴です。菜園やワイナリーを見学できたり、農家や漁師に会いに行くことができたりする場合も。日本のオーベルジュの草分け的存在、「オー・ミラドー」の勝又 登シェフをはじめ、多くのシェフが地域の生産者と連携をとり、地域自体の活性化や食文化の発展に取り組んでいます。