事業主体:東京建物株式会社
事業主体:東京建物株式会社
本敷地は高度利用が進む上野池之端に位置し、景勝地である不忍池に正対しています。景観や自然への配慮を要する場所でありながら、当該敷地周辺や沿道は緑やオープンスペースに乏しい街並みとなっていました。
このような景勝地に相応しいタワーマンションの在り方を課題として、都市景観とヒューマンスケールな街並みに貢献するような、日本的美意識になじむ格子調のファサードデザインを施しました。また、地域の方々の交流の場となるよう、西側街区や旧岩崎庭園と不忍池を繋ぐオープンスペースを設けています。
本物件が位置する千里ニュータウンは、街びらきから60年経つ今でも緑豊かな住環境を維持している一方で、街全体として居住者の高齢化や建物の老朽化などの課題に直面していました。本マンションは建替事業としてニュータウンの環境や従前地の居住者の方々の思いを引き継ぎ、“共創”をテーマに、地権者の皆さまと計画段階から対話を重ねることで、街並みと融和した開発を実現しました。
隣地に位置する千里南公園の自然の潤いとの連動性を表現する外観とするために、白色の庇とマリオンで面を区画するようなデザインを施し、色調も茶系の落ち着いた色合いを選択しました。ソフト面でも公園内でカフェを運営する事業者と連携し共用部やカフェを会場とした居住者コミュニティ形成プログラムを実施することで本物件と公園、居住者同士のつながりを形成しています。建物内部も千本格子をモチーフにしたエントランスや自然素材を多く採用するなど潤いを感じられる空間を計画しました。共用部アートには時をつなぐことをテーマに廃材アートを配置しました。エントランスのメインアートをはじめとした素材の木材には従前団地の桜の木を利用し、その選定は地権者様が主導で行いました。これらの施策の結果、新築マンションでありながら従前の現地を継承し、千里ニュータウンと融和した計画が実現しました。