横浜港を見下ろす丘の上、旧横浜プリンスホテル跡地に建てられたBrillia City 横浜磯子。誕生より10年を迎えた今、
旧横浜プリンスホテルが長い歴史に幕を閉じた後、同跡地に2013年、Brillia City 横浜磯子として3300人が暮らす大きなコミュニティが誕生しました。2017年に自治会が発足し、翌年からは、毎年恒例の一大イベントとなる「お祭り」が開催されるようになったとのこと。2020年からのコロナ禍においても、コミュニケーションの方法を工夫しながら人と人とのつながりを大切にし、2022年にはお祭りも復活。横浜市史上最年少となる中学生自治会役員が誕生し、地域コミュニティとしての注目が高まる中で10周年を迎えられました。
自治会のスローガンは「愛着あふれる、心ときめく街へ」。タウンマネジメントの考え方を取り入れながら、自治会では住人の自発的な参加を促されたとのこと。その結果、「お祭り」立ち上げ当初は30名ほどだったボランティアも年々増え続け、2023年のお祭りでは子どもから大人まで215名が参加することに。また、自治会役員への立候補者数も増加し、現在では学生候補者も数多く登場され、住人の皆さま一人一人のBrillia City 横浜磯子への愛着が、自治会の活動を支え続けています。
マンション管理組合と自治会が運営する「Brillia City 横浜磯子HP」にて、これまでの様々な活動や街の様子が掲載されています。
https://www.brillia-isogo.com/
中学3年生の鈴木梨里子さん。自治会のことを学び、いつか大好きなBrillia City 横浜磯子の自治会長になりたいと話してくれました。
※2022年5月役員就任当時
Q:自治会役員に立候補したきっかけは?
A:小学5年生の時に初めてボランティアとして自治会開催のイベントに参加し、とても楽しくてやりがいを感じたことが、自治会役員に興味を持ったきっかけです。「自治会役員に年齢制限はありますか?」と役員さんに聞いたところ、特にないということだったので、思いきって立候補することにしました。
Q:自治会役員としての活動内容は?
A:私は主に音楽チームの担当で、定期的に開催されているミュージックフェスタを中心に様々なイベントの運営に参加しています。いろんな事態を想定して計画を練っていかなければいけないなど、大変なこともありますが、楽しいことが実現すると達成感があります。
Q:自治会役員になってうれしかったことは?
A:知り合いがたくさんできたことです。私よりも年下の学生役員が入ってきてくれたこともすごくうれしいし、小さい子が「私もやってみたいです」とお手紙をくれるととても励まされます。普段、学校ではできない経験が得られる点も自治会役員の魅力です。
Q:役員になって自分にどんな変化があった?
A:実はもともと表に出るのがあまり得意ではなかったのですが、今はイベントなど人前で話す機会も楽しめるようになりました。役員の活動をたくさんの人が応援してくださり、自分に少し自信が持てるようになったと感じています。
2024年1月28日(日)磯子公会堂にて開催されたのは、Brillia City 横浜磯子の10周年を記念したフォーラム。開始前より続々と住人のみなさんが集合し、笑顔で挨拶を交わす姿が見られました。フォーラムの総合司会を務めるのは、中学生自治会役員の鈴木梨里子さん。400人を超える住人が集い、会場全体で10周年を祝福し、これまでの道のりに思いを馳せました。その内容の一部をご紹介します。
フォーラムのオープニングを飾ったのは、地元の横浜市立汐見台中学校吹奏楽部のみなさんによるコンサート。開業当時が思い出される平成のヒット曲メドレーでは、各生徒のソロパートも披露されて大いに盛り上がりました。
10周年に合わせて住人から募集した「ブリリアでの思い出の写真」約1200枚を使い、フォトモザイクアートを作成。カウントダウンに合わせて幕を開き、思い出の1枚1枚で構成された夕景の貴賓館が初めてお披露目されました。
住人それぞれが10年後の自分や家族に贈りたいもの、メッセージなどを準備して、タイムカプセルに入れました。自治会役員からは10年後の役員への手紙も。すべて収めた後、みんなが見守る中でカプセルに鍵がかけられました。
Brillia City 横浜磯子の誕生に携わった、東京建物の牧口(開発)、猪俣(商品企画)、植木(販売)の3名が、開発着手から誕生に至るまでの思い出と「ブリリア」のまちづくりに込めた想いを語りました。
フォーラムで基調講演を担当したNPO法人CRファクトリー代表理事・呉 哲煥さん。呉さん主宰のコミュニティ塾で多くの自治会役員が学ばれているそう。
Q:地域コミュニティにとって重要なことは?
A:大切な要素が3つあると考えています。まず「理念共有」。人々が同じ情報や認識を持ち、共通の意識づくりを如何にしていくか。続いて「自己有用感」。自分が関わることで役に立っていると感じられること。最後は「居心地の良さ」。関係性が築かれていく中で、なんとなく居心地がいいなと思えることが大切です。
Q:イベントに参加する人が増えるポイントは?
A:比較的まじめな内容のものから、楽しいもの、ちょっとくだらないものまで、多様な行事を企画することは一つのポイントになります。また、その際の情報発信はデザインも含めて、丁寧かつ軽やかであることを心がけるとよいでしょう。
Q:運営がスムーズな自治会に共通する特徴は?
A:自治会そのものの通気性が良く、その空気感が住人に上手く伝わっているところはスムーズだと思います。そして、何年も同じメンバーで固定されているのではなく、人材の新陳代謝がきちんと行われている自治会は、やはり活発だと感じます。
Q:Brillia City 横浜磯子の地域コミュニティの成熟度は?
A:ここまで住人を巻き込み、参加をつくり、運営ができているのは素晴らしいです。それはやはり、役員のみなさんがきちんとコミュニティマネジメントを学び、その原理を把握したうえで取り組んでいるからこそ。今はまだ成長期で、成熟期はこれから。住人の入れ替わりなど新たな課題が生まれてきた時にどう展開していくのかとても楽しみです。
ブリリアのいいところは、きせつによって、いろいろなぎょうじができてたのしいところです。おまつりのときもいろんなわたがしやゲームなどができてたのしかったです。
小学生 女子
小学生 男子
ぼくは、ブリリアのうみが見えて、おにわがきれいなところがすきです。去年は、はるにチューリップつみ、なつに金ぎょすくい、あきにおまつりとイベントがたくさんあって、おともだちもたくさんできました。これからもたのしいおもいでたくさんつくりたいです。
10周年と聞いて月日は長いような短いような…。私もいつの間にか高校生になろうとしている。気づけばブリリアはいつも私のそばにいた。季節の花々、美しい鳥の歌声、自然豊かな環境は私の心をも豊かにしただろう。こんなブリリアは一生私の宝物。
中学生 女子
中学生 男子
僕は小学1年生になった年にブリリアに引っ越してきました。友達一人も知らないまま浜小に入り、登校班で同じ棟の6年生にランドセルをおしてもらったり、ベニトリで友達を作ったり、ブリリアと共に成長してきました。そんな僕がこの春に高校に入学します。毎年桜の木の下で母が妹と僕の写真をとり、振り返ってみると桜の花が年々豊かになるにつれ、僕の身長もぐんと伸びました。たくさんの思い出がブリリアの中にあります。ブリリアの存在自体が地域と友人と僕を繋ぎ合わせ、思い出を作ってきてくれました。かけがえのないこの空間が僕の宝です。
「ハイ笑って!」花壇の前でピカピカのランドセルと記念撮影していました。
パパもママも嬉しそう。色とりどりの花も嬉しそう。
ブリリアの庭を花で一杯にしたいと、庭仕事大好きな仲間みんなで、暑い夏も寒い日も、草取り、水やり、肥料まきと、大事に大事に見守ってきました。そうか!花もいつの間にかブリリアの住民になっていいたんだね。咲いてくれてありがとう!
女性
30代 男性
ブリリアは公道と切り離されていて静かな環境が良いです。敷地内は安心して子供と散歩できます。また、住居数が多いので、同年代の子供がいる家庭と知り合いになりやすくコミュニケーションが取りやすいとことがとても良いです。
風光明媚、高台に立地して緑も多くと… ブリリアに決めてここに住みはじめ、年が経つにつれて初めの不安も解消され、ここに住居してほんとうによかった、年々楽しく感じられます。樹木も成長、管理され、花だんもきれい、植栽の方々のおかげ。自治会の役員もすばらしく任期を終えても、又サポーターとして残り、活動を盛りあげ活気がある。子供達は成長して生れ育ちここがふるさと。せめて私共は、あいさつ、声かけだけはして、気分よく日々暮らしたいと思う。終いの住居としてよかった。ほこらしい、ありがとう!
70代 女性
70代 男性
ブリリア植栽委員の皆様に感謝します。私はE 棟に住んていますが、毎日外出する時ブリリアガーデンを通ります。四季折々に花が咲いていて心が豊かになります。寒い日も暑い日も朝からガーデンの手入れされる姿に心より感謝します。
記念フォーラムは、参加者全員で定番の磯子ポーズ(両手を開いて磯子の「ご=5」を表現)をとって記念撮影を行い、幕を閉じました。10年間で育まれたBrillia City 横浜磯子への愛着が、これからまた10年かけてどのように枝葉を広げ、根を深く下ろしていくのでしょうか。この街で生まれ育った子どもたちにとって、この街はどのような故郷になっていくのでしょうか。コミュニケーションが一層活発化し、豊かに成熟していく未来に期待がふくらみます。
当時の開発担当者:東京建物株式会社
左から 牧口、猪俣、植木
記念フォーラムの日、数年ぶりに磯子の地を訪れました。駅に到着し、丘を見上げるとそびえ立つ曲線の建物。エレベーターで60mの丘を上がった先には、変わらず素晴らしい眺望が広がっていました。開発時、この空間にタウンマネジメントやソフトサービスなどの仕組みを取り入れ、みなさまにお引き渡しをいたしましたが、今それらが空間にうまく噛み合っているだろうか? 期待半分・不安半分でフォーラムを訪れました。ところが会場の空気を体感した瞬間、そんな心配は無用だったとすぐに気づきました。私たちの思いを自治会や管理組合がしっかりと引き継ぎ、むしろ想像以上に昇華してくださっていたのです。ブリリアは確かに「生きている街」になっていました。ここに住むみなさんがこの街を愛し、地域での活動を軽やかに楽しまれていることを知り、驚きとともに大きな喜びを感じています。