

1896年(明治29年)旧安田財閥の創始者・安田善次郎によって設立された東京建物。その分譲マンション事業は、1968年竣工の〈藤沢マンション〉に始まり、「東建ニューハイツ」や「ヴェール」シリーズを経て、2003年にマンションブランドを「Brillia(ブリリア)」に統一。
ブランド誕生から20周年を迎え、そのアイデンティティーはどう進化しているのか。東京建物社員へのインタビューを通してその価値を探った。
Point 01.
住まいのトータルブランド
“Brillia”が目指すもの

東京建物 住宅事業企画部 CRM室
主任 大髙菜未氏
──最近の人々のマンションライフに求める変化をどうお感じになっていますか。
大髙 特に新型コロナウイルス禍以降に感じるのですが、暮らしや住まいへのニーズはますます多様化しています。都心・駅近などの利便性や資産価値だけでなく、住環境の良さや、広い間取りにひかれて、郊外を選択されたり、コロナで増えた在宅時間の質を豊かに過ごしたいという声をよく聞くようになりました。私たちもお客様の生の声にもっと向き合い、これまでの固定観念にとらわれることなく、多様な商品を開発していかなければと思います。

コミュニケーション・ライブラリー
──Brilliaは「洗練」と「安心」をコンセプトにしていますが、具体的にはどういうことですか。
大髙 「洗練」は、長い年月が経過しても色あせない洗練されたデザインと、設備機器などに表される洗練された暮らしを意味します。もちろん何が洗練なのかは時代によって変化します。私たちはこの変化にも敏感で、例えばタッチレス水栓やコミュニケーション・ライブラリーというミニスペースも、コロナ時代のマンションライフを洗練させる一つの提案だと捉えています。
「安心」については建物の建築段階から私たちは最大限重視しており、その実現のために不断の努力を続けています。その一つが、建築現場見学会です。また、徹底したセキュリティーや防災対策、そして住まいの定期診断やオーナーズクラブなどのアフターサービスもお客様にとっての安心を担保するものだと考えています。
マンションライフに求めるニーズは人々のライフスタイルの変化によっても変わるもの。永年お住まいになるなかでその状況に応じて起こるニーズ、例えば管理、修繕、リフォーム、仲介、リノベーションなどをワンストップで解決する窓口を設けています。グループの総力を挙げて、洗練と安心をお客様と一緒に作り上げていくことが、Brilliaの最大の強みだと考えています。
Brilliaのサービス領域
東京建物が分譲するマンションブランド「Brillia」。
東京建物グループのさまざまなサービスを通じて、
価値あるライフスタイルを実現。

Point 02.
グッドデザイン賞6年連続受賞に至る
デザインへの飽くなきこだわり

東京建物 関西住宅事業部 住宅事業グループ
主任 松村理央氏
──グッドデザイン賞を6年連続で受賞するなど、Brilliaはデザイン面でも高く評価されています。そのコンセプトはどういうものでしょうか。
松村 Brilliaでは「物語のあるデザイン」というキーコンセプトのもと、建物のかたち、色彩、素材、シルエット、物件特性に応じて設定されるデザインテイストを「Smart & Graceful」と定め、時を経ても色褪せない、住宅としての居心地の良さや安全性、経年劣化への配慮をしています。ライフスタイルや社会背景の変化に向き合い、地域の街並みに対しても価値を生む建物であることも重視するポイントです。
その代表例が、2022年度グッドデザイン賞を受賞した「Brillia 京都松ヶ崎」「Brillia 北山」です。いずれも景観条例などの規制が厳しい京都の物件ですが、松ヶ崎では自然豊かな川沿いの立地を生かし、共用部を別荘やホテルのようにしつらえました。五山の送り火などの京都の文化や自然に溶け込むランドスケープが特徴です。
一方、京都府立の植物園が目前の北山の物件は、通常マンションにはあるバルコニーを設けていないというのが最大の特徴。優れた近代建築が多く立ち並ぶエリアなので、端正で美しいデザイン設計や街に合う意匠を追求しました。バルコニーがない分、大きなガラス面越しに広がる植物園の緑や四季折々の空の光景を身近に取り入れることができます。
それぞれ設計にあたってはかなりのチャレンジでしたが、歴史のある街の中に新たにBrilliaブランドを加えることで、街全体をさらに洗練させていく。そのためには安易な妥協を許さず、やりきっていくというのが私たちの姿勢であり考え方です。


左:Brillia 京都松ヶ崎、右:Brillia 北山
上:Brillia 京都松ヶ崎、下:Brillia 北山
Point 03.
心から「安心」して
入居いただくための徹底サポート

東京建物 住宅エンジニアリング部 品質管理室
課長代理 坂田淳氏
──マンションを購入されたお客様に、建築段階から建築現場見学会を実施し、物件ごとの建築レポートを更新し続けるのも、Brilliaならではのサポートです。どういう狙いがあるのでしょうか。
坂田 建築現場見学会、Web上での建築レポートはいずれも、このマンションはきちんと建てられているのか、どのように施工監理されているかを知っていただく手段です。特に、建築現場見学会はご契約者様ご自身で施工中の建物の中をご確認いただける唯一の機会です。
工事の手を一旦止めて現場の安全対策をしっかり行ったうえで、普段入ることのない施工中の現場を五感で体感していただくことができます。躯体や配管がむき出しの状態から天井・壁・床の仕上げ工事の一歩手前まで、それぞれ施工段階が違うお部屋をご用意することで分かりやすさに配慮しています。例えば、家具の転倒防止や手すりのための下地がどのように用意されているかなど、図面だけでは伝えきれない、具体的な施工の様子をご覧いただけるようにしています。


左:建築現場見学会の様子、右:お客様の不安をなくすための“報告書”
上:建築現場見学会の様子
下:お客様の不安をなくすための“報告書”
当社の各部署が連携して会を運営し、私の所属している住宅エンジニアリング部のスタッフがしっかり住戸内説明を行うことで、ご安心いただける面もあると考えています。建築現場見学会をここまで徹底して行っているのはBrilliaブランドならではと自負しています。
ちなみに「安心」を国語辞典で調べると「気がかりなことがなく、心が落ち着いていること」という能動的な心の変化であるとされています。建築現場見学会はお客様の心の変化を促すという意味で、大切なイベントとして捉えていますし、包み隠さずに建物の裏側をご覧いただくわけですから、私たちもお客様に良い建物をお渡しするという決意の場になっています。
アートに刺激されるマンションライフ
Brilliaの文化活動
Brilliaは、自分なりの豊かさを自分らしく追求し続けられる住まい「NEW LUXURY RESIDENCE」をブランドコンセプトのひとつに掲げ、アートなどの文化活動に対し支援を行っている。なかでもアートは、創る人や見る人の心を動かし、想像力や多様性の意識を育むもの。人々が自分らしく心豊かに過ごすきっかけの一つになる。「レジデンスアートは空間に潤いをもたらす手段としてだけでなく、私たち東京建物社員の創造力向上やイノベーティブな発想力をかき立てるきっかけにもなる」(住宅事業企画部CRM室・中山佳彦課長)。
このような活動の一環として、同社では次代を切り開く先進性をもったアーティストとの出会い・応援を目指し、2018年から若手アーティストを支援する公募展「Brillia Art Award」を毎年開催、さらに2021年には東京・京橋に「BAG-Brillia Art Gallery-」をオープンし、生活動線上でアートに触れる体験を継続的に展開している。