• トップページ > プロジェクトノート > Note_039「京都の「町家」が人気を集める理由 株式会社八清さんを訪ねてきました」

Project NoteProject Note

Bloomoiプロジェクトの活動内容や方針などのプロセスを順次ご紹介していきます。

  1. 働く女性のインサイトを知る
  2. 働く女性の幸せな生き方を想う
  3. 働く女性が咲き誇る暮らしを創る
  4. 働く女性が提案するために動く

京都の「町家」が人気を集める理由 株式会社八清さんを訪ねてきました

今回は関西に足を運んで話題のスポットを訪れてきました。いま京都では、町家をリノベーションし、住宅や宿泊施設にしたり、店舗やオフィスにすることが人気を集めているようです。間口が狭かったり、再建築ができなかったり、防災や断熱などの住宅性能でいうと決して優れているとは言えないのに、いったい何がたくさんの人が惹きつけられるのか、その魅力を探ろうとブルーモワメンバーで取材へ伺いました。今回は町家リノベーションで歴史を持つ株式会社八清さんです。

中古住宅のストックの再生から始まった町家リノベーション

同社の専務取締役の西村直己さんと浜田真以子さんにお会いしました。
西村さんは新しい視点で京都の町家を再生しています。会社の成り立ちと町家再生に取り組むきっかけについて伺いました。

60年ほど前に繊維製品の卸販売で創業し、その後10年ほどで不動産業へと主力を移してきました。20年位前は一般的な中古住宅をリフォームをして「リ・ストック住宅」と商標登録をして販売を始めました。そこで町家にも取り組む機会があり、人気が高いことを受けて「リ・ストック京町家」に力を入れることになりました。

京都で町家を買いたいという人はどんな人たちなのでしょうか。

町家の魅力については海外の方からの評価が高く、購入される方の3割ほどが海外の方です。また東京の方も3割近く購入していただいています。最新のマンションに住んでいるような方が、たとえば「家の中で雨の音を感じる。季節に応じて暑さや寒さを感じるといった人間的な暮らしができる」というようなことを評価し、「逆に不便を楽しむ」暮らし方をされています。そういった方々は生活に余裕やゆとりを持たれている方が多いですね。
また京都の町の持つ奥深さにも魅力を感じてもらえているようです。自然が身近にあるのに都会の洗練された環境もある。名所旧跡はもちろん、美術館や本屋などの文化的な施設がたくさんある。町のサイズがコンパクトで移動がしやすく、四季折々の異なった景色を堪能することができるといったご意見をいただくことが多いですね。

―町家の再生で工夫している点、気を付けている点について伺いました。

町家は連棟になっていたり、再建築不可だったり、さまざまな課題があります。一つずつ最適な対処が必要になります。構造でも連棟の場合は。一軒の強度だけではなく全体のバランスを考える必要があります。また断熱に関してもどこまで追求するかは難しいところです。昔のままの建具の美しさを生かすために、扉や窓に関しては古いものを生かすこともあります。その代わりに床暖房を入れたり、薪ストーブなどを取り入れたりしています。ただ購入される方は町家ならではの風が通るような住まい方を気に入ってる方も多いですね。一方でキッチンやトイレ、浴室などの水回りに関しては最新のものを採り入れるようにしています。暮らしの「質」に関しては重要な点です。

街並みだけではなく技術の保存のために「町家」の新築をはじめています

人気を集めている「京町家」ですが、実はその数が減少傾向にあります。2009年には47,735軒あったものが、2016年には42,133軒に減少しています。その歯止めには町家自体を増やす努力も大切、そんな試みもスタートしたそうです。

私たち八清は、"百年先の未来に京都らしい街並みを残していきたい"そんな想いをもって事業をおこなってきました。私たちの想いに共感してくださった工務店さんと共に、現在の建築基準を満たした伝統構法で建てる"新築"の京町家京つむ木(きょうつむぎ)をはじめました。町家を新たに増やすという目的だけではなく、職人さんたちの技術を継承していくという意味でも大切だと思っています。

女性が少なかった不動産業界でありながら、今は半数が女性です

浜田真以子さんは16年前に入社、当時はほかに女性の営業担当はいなかったそうですが、現在は半数が女性だそうです。同社での女性の働き方についても伺いました。

入社当時は女性営業はいなかったのですが、お客様とお話していくうえで、購入希望に女性の意見が強いことに気づきました。フランクな話の中からご希望を知ることも多く、営業に女性が加わることはメリットが大きいと思います。シングル女性をターゲットとした「うさぎプロジェクト」等も始動しました。プロデューサー制を取っていて、用地取得から調査、物件のコンセプトを決めてどんなプロジェクトにしていくかまで関われるのでやりがいがあります。今まで経験していないことにも「やってみたら」というチャレンジさせてくれる環境なので面白いですよ。

新しいチャレンジにはどんな試みをされているのでしょうか。

購入後に実際にお住まいになられる方のための「八清サポートクラブ」、セカンドハウスとして購入されたお客様にむけた「マンスリー賃貸京別邸」等々購入してもらった後のお付き合いから派生したプロジェクトも増えています。また京町家と現代のワークスタイルを融合させた「京町家コワーキングスペースプロジェクト」など、様々な分野に取り組んでいます。

<取材を終えて>

住宅業界も成熟してきて、設備やスペックだけではないプラスαが求められている時代です。情緒的な感性や「住まい」に関する原点回帰のようなものが京町家への評価につながっているのではないでしょうか。Brilliaやブルーモワのプロジェクトでも今後参考にさせていただきたいトレンドです。また伝統を守りつつ新しいことに次々にチャレンジされる企業姿勢に、学ぶ点が多いとブルーモワのプロジェクトメンバー一同、納得しました。

それぞれコンセプトの異なる3つの町家を見学

■OMOTENASHI HOUSE

美術館や図書館などが多く立ち並ぶアートの街「岡崎にもほど近く、地下鉄東山駅からも歩ける「粟田口」界隈は、古来よりの名邸、名園が数多く残され、美意識の高い人々によって脈々と受け継がれた景観は、京都の中でも洗練された雰囲気です。そこに“京町家”と“借景”が生み出す居心地の良さ、そしてお客様をおもてなししたくなるような工夫のつまった家があります。路地奥再建築不可というハンデを味方に、日本文化を好む海外の富裕層向けの別邸として、築約130年の京町家をリノベーション。居心地の良さはもちろんのこと、そこに日本文化の神髄である“おもてなしの心”を加えています。本物件は「リノベーションオブ・ザ・イヤー2018」のベストバリューアップ賞を受賞しました。

  • 風致地区の景観に配慮し、外観は聚楽風壁と焼杉板で構成した真壁造屋根は瓦葺き・板金の一文字葺き。
    できる限り既存要素を残し、そこにモダンテイストを融合させました。
  • R壁+和紙貼りの坊主襖で、茶室の入り口をイメージしています。
    壁+和紙貼りの坊主襖で、茶室の入り口をイメージ
  • 高い天井で解放感を感じつつ、視線を庭に集中させる窓の位置に工夫が施された廊下と兼ねたラウンジ。
    床暖房が設置されていてされていてリラックスできる空間になっています。
  • キッチンにはミーレの食洗機と電気オーブン、LDKだけでなくラウンジにも床暖房を設置するなど、
    快適に過ごせるように、人を招きたくなるような工夫を散りばめました。
  • お茶も楽しめるように、炉(裏千家)が切ってある和室は茶室としても利用できます。
    エアコンは格子の中に組み込み、和室に溶け込むように工夫しています
■小さな畑と過ごす家

京都市内の北部、大徳寺や船岡山にほど近い場所に、敷地内に小さな畑を持つ住まいがありました。リノベーションにより現代の町家として息を吹き返した母屋と、中庭をや介して新しく奥に築した離れの2棟構成の住まいです。畑を介して互いに寄り添うように、伝統と新しさが織りなす上質な空間。中庭には小さな畑を作り、種を撒き、苗を育て、料理をして、食卓で頂くというような暮らしが実現できます。また離れの奥にも庭を設け、建物と庭、新旧の建物がそれぞれ調和するように工夫されています。

  • モノトーンの色調がシックな外観
  • リビングの暖炉は、揺らぐ炎でノスタルジックな空間を演出します。
  • 母屋のリビングは住む人の声や表情が自然と暖炉の前に集まるように設計。温かみのある空間。
  • 和室の奥には昔積まれた石垣と市松の庭。季節の樹木には四季折々の花が咲き、
    鳥と虫が集い、色づく葉っぱや萌える緑は訪れる人の目を楽しませてくれます。
  • 母屋と離れの間には、季節の野菜を作る畑とぶどう棚。
  • 2階は天井の高さを抑え小屋裏の様にすることで和室と寝室のつながりを強調。
    一階との一体感のある空間を生み出します。
■珊瑚色の家

北野天満宮近くの北野商店街に近接、何種類ものスーパー、コンビニ、外食の店が徒歩10分以内にある便利なエリアに、町家の特徴である木製の柱梁や土壁といった和の空間と異国モロッコのテイストを加えた新しい表情の町家が生まれました。モロッコのカスバ街道の赤一色の街並みを思い浮かばせるような珊瑚色がこの家の基準色となっています。遠く離れた日本とモロッコは、共通点が少ないようですが、古くて良いものは国境をまたいでも相性が良く、心地よい空間を作り出しています。備前焼の窯として使われた、耐火性の高いレンガが庭と玄関の床に。天井の高さも一般の町家よりも改装しています。

  • 珊瑚色の扉が町家の外観と調和する印象的な外観。
  • モロッコ風の凝った意匠の照明器具を随所に効果的に使用。
  • 寒い冬でも、モロッコの暖かさが感じられるように、
    床暖房(一階のLDK)と断熱効果の高い複層ガラスが設置されています。
  • まるでモロッコの宮殿や砂漠を彷彿とさせるような、柔らかな曲線で仕上げた漆喰の白い壁が
    異国の風情に包まれるような気持ちになる2階洋室。
  • 手入れを最小限に抑えることができるレンガの庭。
    数か月の不在でもメンテナンスに悩む必要がありません。
  • 浴槽を縦に配置することで狭い空間を有効に活用、さらに庭を眺めることもできる贅沢なスペースに。

株式会社八清(はちせ)

八清> 八清 公式サイトはこちら

1956年(昭和31)から不動産業者として京都の町の移り変わりを見つめ、町づくりの一角を担っています。京町家を中心に、バリエーション豊かなコンセプトでリノベーションを行い、建物とともに路地の再生を行うなど景観面にも寄与。住まいの創造を通じて心豊かな京都での暮らしと、お客さまの新しい居場所をご提供しています。

facebookfacebook
  • 東京建物
  • Brillia
  • Copyright © Tokyo Tatemono Co.,Ltd. All Rights Reserved.