庭付き・ルーフバルコニー付物件特集

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なぜ今人々は都心に住居を求めたがるのか?

三浦展(カルチャースタディーズ研究所代表)


ニューヨーク、ロンドン、パリ……、欧米を代表する都市と並び、世界的な都市の一つにランキングされている日本の首都、東京。少子高齢化、人口減少といった局面を迎えている中、実は今、この東京で注目すべき現象が起きている。これまで郊外に住居を求めていた人々が、都心部に大きな関心を寄せているのだ。実際、都心部に供給されるマンションは完売が続出し、不動産市場はリーマンショック後から一転して、今活況を迎えている。オフィス、交通インフラ、病院、商業施設、カルチャーといった都市の装置も一層都心部に集まっている。マンション開発が進む都心部では、「今のうちに住むところを決めなければ、良い物件は確保できない」という声も上がる。なぜ今、こうした現象が起きているのか。そして、注目すべき街、目指すべき街のかたちとは何か。都市問題に詳しい社会デザイン研究家、三浦展カルチャースタディーズ研究所代表に聞いた。


共働き夫婦は都心に住宅を求める


――なぜ今、都心部に住宅を求める人が増えているのでしょうか。

三浦 通勤時間が短いことを求めるという当たり前の心理が、都心居住のニーズです。そのニーズを満たせるようになった背景には、小泉政権以来の規制緩和で都心部の容積率が緩和され、マンションが供給されやすくなったことが挙げられます。江東区、江戸川区など比較的地価の低いところから、新しい物件が供給され、若い夫婦でも住めるようになった。昔は駅から遠い一戸建てでもよかったけれど、今は共働き夫婦が多いから「駅近」がいいわけです。

――都心回帰と人口減少は、どう関係しているのでしょうか。

三浦 都心回帰というと、転入人口が増えているように見えますが、実は転入人口はそれほど増えていません。都心人口増加の本当の理由は転出人口が減ったからです。 では、なぜ転出しなくなったのか。一つは、子供のいない夫婦が増えたからです。 一方、地方では先行して少子高齢化が進んでおり、すでに高齢者の減少も始まっています。そのため、福祉の仕事でさえ減少傾向にある。結果、地方の若者たちは、仕事を求めて都心部へ移動せざるを得なくなってきた。都市の魅力の一つは、いろんな仕事を選べることです。消費ではなくて雇用を求めて都心部に集まっているのです。

今、成長力のある街はどこなのか。


――三浦さんが今、都心部で注目されている街はどこでしょうか。

三浦 成長の伸びしろがあるという点では、例えば北千住が挙げられます。宿場町として古い歴史のある街であり、鉄道もJR常磐線、東京メトロの日比谷線・千代田線、東武伊勢崎線、つくばエクスプレスと5路線も通っています。
 私のような世代には工場地帯のイメージが強いのですが、今は北千住の中や沿線にも大学ができ、学生など若い人たちも増えています。その結果、新しい店も増えて、イメージが変わってきています。
 今、東京の東側の街のブランドイメージは、昔と比べて西側との格差がなくなってきています。今度、千代田区で猿楽町を神田猿楽町、三崎町を神田三崎町にと、「神田」の名前を復活させる案が出ているように、むしろ「下町っぽさ」が日本的な伝統であったり、江戸文化に近いというブランドイメージをつくれる時代です。その意味で、今後、ポテンシャルがある街として、北品川、日本橋、御徒町、蔵前、馬喰町周辺も付け加えていいでしょう。まだまだ都心部でも開拓できる場所はたくさんあるのです。

――「住みたい街ランキング」の常連である吉祥寺や自由が丘はどうでしょうか。

三浦 実はブランド力のある街は、住民の高齢化が進んでいます。しかし家賃が高いので若者はブランド街には住むことが難しく、人口は減っています。住みたい街とは、実際にはなかなか住めない街なのです。
 ブランド街は、これからは観光地として生き残っていくことになるでしょう。それは海外からの観光客も含めてです。すでに自由が丘、吉祥寺などは日本人だけでなく、中国人なども大勢歩いています。特に自由が丘は羽田空港にも近い。外国人を呼ぶにはいい立地です。吉祥寺も、サブカルの聖地である中野ブロードウェイ、三鷹のジブリ美術館などと連動すれば、外国人を呼ぶことができるでしょう。

子育て支援とSOHO支援がこれからの街づくりに必要


――人口減少時代を迎え、これから街が生き残るには、そこに人が訪れるだけではなく、そこに住んで次世代を再生産してもらえるような街づくりが必要になりますね?

三浦 そうです。今街に必要なことは、簡単に言えば、子育て支援、そしてSOHO(在宅で仕事をする)支援でしょう。私も共働きをしていたころは、ドア・ツー・ドアで50分くらいの通勤時間で、子供を保育園に迎えにいく生活はとてもハードでした。
 本当は会社員でも自宅で仕事ができる人は多いはずです。会社に行ったら会議ばかり、自宅で仕事をしたほうがよほどはかどります。有名な大企業が思い切って、「我が社はこれから在宅勤務にします。打ち合わせは週1回です」と宣言してくれたらいいくらいです。
 例えば、もし吉祥寺が今、「SOHOを支援します」と言って、シェアオフィスなどをたくさん整備すれば、新しい吉祥寺のブランドイメージを生むことができるでしょう。吉祥寺は仕事で行き詰まっても、公園で散歩ができるし、飲食店や遊ぶところも多い。SOHOに向いている街です。いわゆる「クリエイティブ・シティ」ですね。それが吉祥寺が今後目指すべき街のかたちと言えるでしょう。また「クリエイティブ・シティ」という概念の中には、もちろん子育てしながら働きやすいことが含まれます。子育てにはビジネスのヒントもたくさんありますから。


スモールタウンの機能が都市には必要だ


――三浦さんが街を評価するときのポイントとは何でしょうか。

三浦  まずは自分が住みたいかどうかです。言いかえると、自由な雰囲気がある街ですね。
 例えば、吉祥寺の隣駅の西荻窪は”スモールタウン”ゆえに、街を歩いていても知り合いに会う機会が多い。するといろいろな情報も入手できれば、新しい仕事の話も膨らみやすい。
 西荻窪のような規模の街は、リラックスできて新しい発想も生まれやすい。そうした街を今後他にもつくれるかどうか。渋谷がすでに街としては成熟しているのに、まだ人気があるというのは、このスモールタウンの性格が残っているからでしょう。
 比較的静かな桜ヶ丘などには、広告やマーケティング、デザイン、建築家の事務所などがたくさん集積しています。

――人間の行動範囲はそれほど広くないということでしょうか。

三浦 そうです。大きな街である吉祥寺も「ハモニカ横丁」にたくさん魅力的な店がつくられたことによって、今はクリエイティブな仕事をしている人たちが常連になるような店が増えてきました。そこには老若男女がいて、出会いの場になっている。ハモニカ横丁に行けば、誰かに会えて、誰かと誰かを結び付けてくれるのです。


これからはモノではなく、人と出会える街がいい


――その意味では、地方はクリエイティブな人に出会える機会は少ないように見えます。

三浦  局所的に見れば、面白い場所は生まれてきています。地方もそうした地域を育てていけば、都市と地方の二拠点居住も可能になってきます。面白い人がつねに訪ねてくる街になっていくといいですね。
 東京でも、かつて表参道にあった「原宿セントラルアパート」(現在は東急プラザ表参道原宿)にカメラマン、コピーライター、イラストレーターなどが集まっていました。でも原宿が人気となって人が増え始めると、彼らは、今度はもっと静かな乃木坂などに移っていきました。つまり、先端的な人ほどつねにちょっと「はずして」いくわけです。自分たちが街の人気をつくったのですが、人気が出るとイヤになって出て行くんです。その意味では、地方に出るという選択肢も今後は十分あるでしょうね。

――三浦さんが考える都心部の街の魅力とは何でしょうか。

三浦 やはり文化ですね。消費は地方でもネットでもできる。しかし文化体験は東京集中ですからね。毎日展覧会に行っても、コンサートに行っても行き切れない。さらにおいしい飲食店があれば、なおいいですが(笑)。そして、落ち着ける場所があることでしょう。
 昔流行った言葉で言えば、日本なりの「エッジ・シティ」(大都市の郊外にある、オフィスや商業施設など独立した都市機能をもつ都市)をつくることです。例えば、二子玉川は、まさにそれを狙ってつくられていますね。
 これからの街づくりは、女の子の消費力、ファッションなどに頼るだけでは、もうダメだと思います。これからは、面白く働ける場所として選ばれること。そこで働きながら、子育ても楽しくできること。外国人観光客が訪問したい街であること。モノじゃなくて、人と出会える街。住んでいて楽しい。働いて楽しい。これが生き残る街の条件となるでしょう。


撮影:今祥雄
出典元:東洋経済オンライン ブランドコンテンツ

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